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空色のベース
昨日学校帰りに寄った楽器屋
もうすぐ閉めるってセールするらしい興味もないのに入ってみた楽器って意外と高いんだなあピックだけでお弁当が買えちゃうチューナー?メトロノーム?それなんだっけ音楽の授業で習った気がする「一見さん?珍しいね」なんて店主のおじいちゃんが声をかけてきた慌てて出ていこうとしたけれどなぜ?なぜ?脚が動かない弦に鍵盤に フィンガーボードに見つめられて離されない「君にはそうだな、これが似合うよ」なんて勝手にギターを押し付けてきたいや弦が4本?これはベースか私が地味って 言いたいのか?「どっしり構えた重低音で主旋律を支えるのさ他の楽器が どれだけいても音を重ねるほどにメロディは薄っぺらくなっていくベースがいないとバンドは成り立たない縁の下の力持ち そういうのに憧れてたんだろう」「今なら閉店しても私がたまにそのベースの面倒見てあげるよそれは私が使っていたものなんだ新しく楽器を始める君に ぜひ可愛がってもらいたい」「本体・ケース・ストラップ・ピック・ヘッドフォンアンプ・チューナー・指南本もつけて2万でいいよ」の最終文句で最強装備のベースを買ったの財布の中に1万7000円しかなくて3000円おまけしてもらった「私が改造してるから私が死ぬまでここに持ってきな私が死ぬ頃には自分で整備できるようになってる」「長生きしてね」、って言って制鞄とベースを担いで帰ってきたママには叱られちゃったけど楽器店以来のご対面空色がかわいい初ベース帰宅部、学年席次66位、スポーツ歴なし音楽歴2分あーあ、余計勉強しなくなっちゃうな
【姫予約】
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