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カメラ小僧しずき
とくにこだわりではないです。
けど、適当に球場でカメラ構えてパシャパシャやってるかと言われたらそうではなくてちゃんと気を配れる範囲で配っているんですという話。ちらほら専門用語的なの出てきますが、読み飛ばして大丈夫です。明るさとか感度の話。ナイターの場合絞り解放/シャッタースピード連写時2500or一枚撮り3200/ISO8000でスタートして、暗くなるにつれてISOを上げる。試合中盤までに大抵12000まで上がっていて、席や球場のライティングによっては16800(最大)まで。1試合に撮る(試合終了まで残る)のは200枚前後、シャッター回数だと500~600くらい。序盤と交代時にある程度投手を撮る以外あまり守備回はカメラ構えないので、撮っては消し。この選別は第一段階で、モニターをパッと見た印象で一部分でも使えるか使えないかざらっと決めて取捨選択してる。基本打席狙い、一塁にスピード型選手や代走がいる場合は贔屓の攻守問わずリードから追っかけて連写。最初は二塁に置きピンして待ちで撮ってたけど、突然フレームインする選手よりも先に来る野手や審判に目移りするため断念。走っている間何度か半押しできる時間があるので今の方が写りはいい。帰りの電車でWi-Fiを繋いで、スマホから半分くらいまで絞る。おもにメインの被写体がうまく構図に収まっているか、表情がいわゆる事故ではないか、関節の動きに不自然さがないかチェック(瞬間を狙うとたまに関節消失バグが発生している)。トリミングすれば使えると判断したものは一応保存。この二次関門もあくまでゆるーく、ざらっと確認。乗車時間の一時間あまりでだいたい終わるのがノルマ。いちいちアップとかは多用せずここも雰囲気で、球場で気づかなかったピンぼけや手前の売り子・観客被り、白飛び黒つぶれを主に見てガサッとふるいにかけます。要はフィーリングで「微妙」なやつ。帰宅後、少し時間をおいて視覚の麻痺を取ってから、ギャラリーからデータを見直していいやつだけPhotoshopLightroom(スマホ版)で読み込みます。ナイターの阪神戦だとだいたいここまでで一旦写真の処理を終えて寝ます。勢いとやる気と熱意を消失し写真が放置になるのもここからです。翌日以降、取り込んだ全ての画像で、トリミング・トーンカーブや色合いの補正を行います。ここではアップ機能をしっかり使い、メインの被写体だけでなく背景の人物、広告の文字、細かいレンズの塵など、礼儀と敬意をもってとにかく細かくチェックします。特に表情はボールボーイ一人に至るまで。万一写真がどんなに広く出回っても、ひとりも恥ずかしい思いをする人が出ないように。その場で写真に収まっている被写体と被写体以外、全ての人へ最大の敬意と礼儀をもって、入念にチェックしながら、写真に臨場感が出るように手を尽くします。かっこよくならなかったら即削除です。投げる瞬間、打つ瞬間、決定的な瞬間は往々にして顔面が事故ります。私から見てそう見えなくとも他人、例えば本人がどう感じるかは分からないので、顔はかなり厳しくチェックを入れ、ときに補正します。ただし一番大事な、その瞬間の本物の表情から大きく外れないように気を配ります。歯の噛み締め、力の入った筋肉、鋭い目付き、肌の質感に至るまで、その場の大事な表情をファインダー越しに滅茶苦茶見てるので。最終的には1試合に数枚残ればいいほうかな、ゼロの時もありました。そんな写真についてこうして語ってきて、最後に皆さんに伝えたい真理。「写真は席」
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