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あいつんち(フィクションです)
地下鉄 降りたことない駅
上がったことない階段 見たことない出口
Suicaを通して改札出たら
待っててキスしてくれる彼
ボロボロの自転車2人乗り
パーティーかな?ってくらい多い靴
玄関の棚に放られた煙草
スーパー玉出のレジ袋
3日前の吸い殻は捨てた方がいいよ
腕時計はずして右手に着けた金色のバングル
クリスマス待ちきれなくなった彼のプレゼント
カーブ合わなくて手首が痛いの
着けると決めた リスカよりましだし
窓の外 打ち付ける雨
狼狽える外国人の大声
ギリギリセーフで滑り込めてよかった
暖かな部屋で毛布にくるまる
触れる素足 モコモコの部屋着
家賃8万 201号室は僕らの秘密基地
パンツを被って笑う君 なんでこんな人好きになった?全てがお気に入りだからだよ パンツを被るとこ以外
母が作ったお味噌汁より
メビウスの副流煙が美味しいと知った冬
ちょっと、味噌汁に七味入れないで
ちゃんと残さず味わって
ごはん前にコンビニ行って
フランクフルトなんか食べるからだよ
私のことが好きなのに
私の料理食べたことない人 この世界にはいるんだよ
私の身体はお店で買えるし
私の物はメルカリで買える
でも私の愛は買えないんだよ
全部君への受注生産 受けた分しか返さない
……つもりだったのにこれは何?
供給過多で喘ぎ死んでる
私を無視してゼルダやってる
それだけで愛せてしまうから
すし詰めの埼京線
飛び込み防止の青いライト
踏切際のたこ焼き屋
次晴れた日はデートしようね
君のお気に入りの服着ていくよ
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